感想
米中経済摩擦・英国のEU離脱など不透明さを増している世界経済ですが、今後の日本経済の行方についてもはっきりとしたイメージを持てる人は少ないのではないでしょうか。
このような分野を取り扱う書籍ははっきりと楽観論・悲観論に分かれますが、本書はどちらかというと辛口の悲観論でまとめられた内容になっています。
本書が主張する悲観論の根拠は、日本政府が抱える債務の大きさ・人口減少の2つに集約されており、且つ他国と日本をフラットに比較しているため、分かり易く説得力のある内容です。
著者は著名な投資家ですが経済史学に精通しており、過去の事例と現在を照らし合わせることで未来を見通しています。
また課題(債務・人口減少)に対する対策についても論じられています。
が、債務については歴史上債務超過になった国が繁栄することはないとかなり辛辣な意見が述べられています。
日経平均では現状の2万円台が天井で今後下がり続けるというのが本書の予測であり、東南アジア・中国などに投資すべきとあります。
また北朝鮮と韓国の合併が近く、そのことで大きな経済成長と投資機会が生まれるという予測も描かれています。
私個人はそれほど今後を悲観的にはとらえていませんが、非常に参考になりました。
お薦めの一冊です。
本の概要
日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く
2019/7/20
いま中国や朝鮮半島で起きている劇的な変化は、日本にどんな危機をもたらすのか?
どうすれば日本人はその危機を打ち破り、新しい未来を築けるのか?
世界的投資家だけに見えている戦慄の未来――!
「日本人は今、何かがおかしいとわかっているのではないか? 少子高齢化と巨額の長期債務残高を放置しても破綻しない『ニューエコノミー』など、存在しないのだ」
つねに人の先を読み、目先の動きにとらわれずに決断し、偉大な成功を遂げてきた世界的投資家、ジム・ロジャーズ。彼の目から見れば、日本にはあきらかに大きな危機が訪れている。それは根本的で長期的な危機、すなわち人口減少と財政破綻だ。放置すれば破滅的未来しか待ち受けない重大な危機であるにもかかわらず、日本人は手を打とうとしているように見えない。ここ10年で近隣のアジア諸国が劇的に力をつけてきたのと比べれば目がくらむほどの落差ができたというのに。
「日本は世界で最も素晴らしい国のひとつになれるし、なるべきだ」
政府はけっして国民のためを考えて政策を立案しているわけではない。あなたのお金は官邸や財務省よりもあなた本人のほうがずっとその使途をあやまらない。権力、常識、他人の言うことに頼るのではなく、みずから観察し、未来を見抜く目を持つことが、あなたの仕事と生命、子どもを守る。著者がみずから生まれ故郷から脱出して新天地で成功を手に入れたのと同じものを、本書を読めば手中にできる。その知恵と勇気を授かる話題書が、ついにここに誕生した。(引用)
まとめ
日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く 、お薦めの一冊です。
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投稿者プロフィール
- 1971年11月生まれ。O型。埼玉県生まれ、東京都文京区在住。趣味は旅・食べること。
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