問題を解く人から問題を定義できる人になろう ブックレビュー


本書を紹介するきっかけ

本書は2013年7月に「ワンコインキンドル」として発売された電子書籍である。

(残念ながら現在は販売されていない)

今年に入り「クリティカルシンキング(批判思考)」を学んでいて関連本を探している最中、ライブラリに眠っていた本書を見つけたところ、面白かったので本記事にまとめようと思った次第である。

2010年頃、僕は勝間和代さんの著作を新刊が出る度に読ませて貰っていた。

ライフハックと呼ばれる分野の書籍が新刊として多く出版されていた当時から、勝間さんの書籍には大いに学ばせて頂いている。

是非、再販してほしい1冊である。

 

問題を定義出来る人>問題を解く人

なぜ、問題を定義する人のほうが解決する人よりも強いのか?

本書ではiPhoneを通じたアップルとシャープの関係を例に説明している。

「スマホを定義した」アップル、「スマホの液晶画面を製造する」シャープ。主導権を握った前者は2010年代を通じて最高益を出し、後者は経営難から台湾のスマホ組み立てメーカーに買収されている。

どちらも素晴らしい会社だが、抱える問題に対するアプローチの違いが結果の差を生んだと言えなくもない。本書ではこのように説明している。

問題定義を変えないということはその問題で不公平競争があることを飲み込みながら働く、ということにつながる。

競争で大事なことは、自分ができる、あるいは自分が優位に立てるところでのみ、競争するということです。できれば、競争そのものをしなくてもすむところに自分の身を置くことです。

 

問題定義を出来る人になるために

ではどのようにすれば問題定義を行えるようになるのだろうか?下記の流れで説明されている。

  • 日本の試験制度・評価制度の問題点
  • 問題設定を疑うために必要なこと
  • ラテラルシンキング(水平思考)を行うための具体的なコツ
  • 自分の頭でものを考えないと、トラブルを解決出来なくなる
  • 専門外の力を常に活用しよう
  • パラダイムを疑い続けよう

 

面白いのは専門家の存在をあまり肯定的に捉えていない部分で、むしろさまざまな価値観・パラダイムを持つ人と付き合い続けることの必要性を本書は説く。

パラダイムとは「ある時代や分野において支配的規範となる『物の見方や捉え方のこと」』。自分の中にあるパラダイムを見つめ、それが間違っているかもしれないと気付くことが重要である。

 

まとめ

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。本記事では問題を解く人から問題を定義できる人になろう ブックレビューをお届けしました。

当ブログへのまたのお越しをお待ちしております。

 

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投稿者プロフィール

菊地登志雄
菊地登志雄
1971年11月生まれ。O型。埼玉県生まれ、東京都文京区在住。趣味は旅・食べること。