「話し方教室」を受講した経緯・内容・その効果について

 

 

 

人の前で話すことが大の苦手でした。

大勢の人前に立つと頭が真っ白になり何も話せなくなってしまう。友人とカラオケに行くことも苦痛なほどです。

授業では率先して発言するような子供だったはずが思春期に入るやいなや真逆の状態になり、30歳の声が聞こえてきても回復の兆しすらみえていませんでした。

今振り返るとなんとなく滑稽な話しですが、出来る人からみると大したことではない事も当事者にとっては大真面目だったりします。

そうしているうちに年齢を重ねてくると仕事の責任が増してきて、能力の有る無しに関わらずそれなりの役割が与えられるようになるらしく、30歳を数年超えた頃、僕は工場の生産ライン責任者になっていました。

工場の生産ライン責任者は製品を作り上げるために個性の強い職人をまとめなければならない、仕事の腕とともに「発信力」が必要な仕事です。

この「発信力」には自信が無かったし、目処すら立っていませんでした。

当時会社では毎月1回全員参加の朝礼が行われていて、5分~10分ほどのスピーチを行わなければならなかったのだがまったく話せない状態が続きます。

朝礼が始まるとともに緊張が走りいざ人前に出ると声が震え、足は落ち着かず内容はしどろもどろ。

現場に戻ると気の毒そうな顔をされているような気がするし(ほとんど気のせいだが)、真面目な話し、重要な局面でいざというときに困るような気がしていたのです。

 

これ以上問題をやり過ごすことが出来ないと強く感じるようになり、数カ月間悩んだ末「話し方教室」に通うことにしました。

大きな恥が小さな恥を隠すようなもので、正直いってなりふりを構っていられないという気持ちです。

カラオケに行くのも苦痛なほどの重傷と自覚していたのでパーソナルトレーナー的な教室を探していたところ、自宅近くの公民館で主催されている元アナウンサーが行っている話し方教室があり、そちらに申し込みました。

約半年間、月2回、1回90分ぐらいのカリキュラムだったように思う。日曜昼になると、自転車で公民館に向かい話し方を学びます。

 

カリキュラムは、3つに分かれている。

  • 発声練習
  • スピーチのノウハウ
  • 自分を語る訓練

 

1つ目の発生練習では、声の張り方を学びます。

話すことが苦手な人は自分の声量が弱いこと自体を理解していない。実際の訓練を通してその部分を指摘して貰いつつ、滑舌を修正する作業を行っていく。

対面練習を繰り返していくうちに、声が届いているかを相手の表情などで確認する習慣が身につくようになり、そのことで冷静さを身に付けることが出来るようにもなってゆく。

毎朝起きてから、滑舌の発生練習を行う習慣を行うようになりました。

 

2つ目は、スピーチのノウハウ。

最初に講師に言われたことが、「朝礼前に書き出した内容を100回練習してからスピーチに臨む」ことでした。

これまで能力不足という認識に甘えていた自分に対し、君は単なる練習不足であるという指摘をされた訳です。残念。

プロのアナウンサーですら繰り返し練習を行って収録に臨むというのに、小さな会社の朝礼スピーチにですら何も準備をしていなかった自分は認識不足としか言いようがない。

しかし、逆に言うと練習さえすれば上手くなれることを知ったことがうれしくもあり、実際に朝礼前に練習してからスピーチに臨むようになりました。

 

3つ目は、自分のことを語る訓練。

最初はなぜこの訓練があるのか分からなかったが、次第に理解出来るようになります。

自分のことを語る訓練をすることで、アドリブ力が付くようになるからです。

概ねの人間は自分のことを語ることが楽しく、比較的すらすらと言葉が出てくる傾向にある。

この延長で自分の感情を言葉に代えて表現出来るようになってくると、スピーチ途中でつまづいてもアドリブが効くように。

例えば、用意していた言葉を忘れてしまっても「今日は暑いですねぇ」とか「疲れていませんか」など感情を発信することで沈黙の間を減らすことが出来ます。

 

こうして半年間、話し方教室を受講した結果、徐々にではあるが人前で話すことへの苦手意識が無くなっていったのです。

最初の頃はスピーチ内容を全て描き出しそれを100回繰り返し練習をしてから、言葉をつかえながら朝礼で話す状態が続きました。

しかし、さらに半年も経ってくるとレジュメを見ないでも話せるようになり、2~3年後には100名以上の知らない人の前でスピーチを行うようになっていました。

自分でも驚きの変化です。

仕事でも現場の皆さんから声をかけて貰える頻度が増えるなどコミュニケーションが取れるようになり、円滑な進行に役立ちました。

但しカラオケは未だに苦手でまったく下手なまま。世の中的にもそうした機会も格段に減っていますが、こちらだけはおとなしく聴き手に回っていようと思います。

まとめ

ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

「話し方教室を受講した経緯・内容・その効果について」をお届けしました。

世の中には様々なスキルを学ぶ機会がありますが、話し方に関するスキルはこれまで学んできた中でも比較的対価が大きいものでした。

トレーニングと捉えると練習した分だけスキルが上がる分野に近いと思います。

コミュニケーションスキルに正解はありませんが、自身から発信する内容は改善することが出来るのかもしれません。

話し方教室でお世話になったフリーアナウンサーの大橋照子さんに感謝させて頂きます。

当ブログへのまたのお越しをお待ちしております。

 

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投稿者プロフィール

菊地登志雄
菊地登志雄
1971年11月生まれ。O型。埼玉県生まれ、東京都文京区在住。趣味は旅・食べること。